「新たな区民センター」を予想してみました 2024年1月26日 しろめくろめの会世話人 高村重明

要求水準から「新たな区民センター」を予想してみました

2024年1月26日

しろめくろめの会世話人 高村重明

1 予想図A(上)

 私は建築については全くのしろうとなのであくまで参考程度にお考え下さい。南側敷地=小学校敷地は今回は予想していません。

1)北側敷地

〇面積 11527.71㎡

〇区民センターは北側敷地と公園敷地になっているので体育館は公園敷地としました。

〇公共スペースは現在の20,598㎡の85%、17,508㎡が上限となっています。

〇建蔽率は60%なので約6,916㎡。四角形にすると83m×83m程度です。北側敷地は複雑な形をしているので精一杯4角形を描くと約87m×約73mとなりました。周辺からはかなり圧迫感があると思います。6,351㎡の敷地は建蔽率約55%です。東側と西側は敷地ぎりぎりですが一応基準の4メートルはとってあります。

〇建物敷地6,351㎡なので公共スペースを17,508㎡と仮定すると(実際はかなり下回るでしょうが)3階分必要です。建物高さ50mは14階建てくらいとなると思われるので1階から3階が公共スペース、4階から14階の11階分が商業スペース(マンション)となるでしょう。商業スペースの延床面積は69,861㎡となります。

〇美術館跡やふれあい橋付近に広場を設置することになっているので美術館跡はそのままにしています。

2) 公園敷地

面積 10,000.15㎡

〇形状変更はしない。

〇テニスコート2面を体育館の屋上に設置する。テニスコート2面に必要な面積は34m×34mほどでしょう。

〇体育館の延床面積は10,000㎡以下。

〇屋内プールは下目黒小学校と近隣の小学校が利用するのでマイクロバス4台の駐車場を確保する。

〇下目黒小学校から屋内プールまで安全な動線を確保する。

〇建蔽率は最大22%なので10,000.15㎡×22%=約2,200㎡。ここでは60m×36,6m=2,196㎡としました。延べ床面積の上限10,000㎡を2,196㎡でわると4.55となることと、1階の体育館は7.5m必要なので4階建てとしました。

〇現在のテニスコートの下には排水口があるので建物は建てられません。体育館は北側ぎりぎりに建てるしかありません。現在のテニスコートあたりは駐車場となるでしょう。

〇現在はトイレしかない区民センター公園に4階建ての体育館が建ち、屋上にテニスコートがあるため鉄筋で網も張らなければならないので随分狭苦しい感じになってしまいます。

2 予想図B(左上)

〇北側敷地の公共施設と民間施設は別の敷地としても可能となっています。そのために建築基準法第86条の「一の敷地とみなす規定」について適用可としています。一の敷地について東京都都市整備局のホームページに分かりやすい解説が載っていました。

建築基準法第86条第1項に規定される一の敷地とみなすこと等による規制の緩和(一団地決定制度)の説明。

【一団地建築物設計・連坦建築物設計の適用例】

敷地A及び敷地Bは一の敷地と見なされ、一定の条件のもとに敷地B側にも建築できるようになります。

敷地A及び敷地Bは広福音道路に接道する一の敷地とみなされ、一定の条件のもとに土地の有効利用が可能になります。

 要は北側敷地が分割されても一体のときと同じ建物が建てられるということです。そこで予想図Bでは公共施設棟と民間施設棟を別の建物として間に幅10mの通路を通してみました。通路部分約700㎡を引くと敷地面積は5,651㎡となり建蔽率は49.02%です。民間施設(マンション)は日当たりがよく眺望もよい南側の方が資産価値が高くなるので南側に配置され、公共施設は日の当たらない北側になるでしょう。

3 予想図C(左中)

 民間施設を最大限とるために公共施設を北側敷地の三角形の場所に建設し、民間施設も美術館跡地の一部まで広げています。敷地は公共施設1,341㎡、民間施設5,980㎡の合計6,580㎡で建蔽率は57.08%です。民間施設の南側底辺の長さは103mで北側敷地の最大幅130mの約8割を覆ってしまいます。最大高さを50mに下げたのに建蔽率の上限を60%のままとしたためにこのような圧迫感のある眺望となっています。公共施設は敷地面積1,341㎡×14階=延床面積18,774㎡で公共施設の上限17,508㎡を満たしています。民間施設は敷地面積5,239㎡×14階=延床面積73,346㎡となっています。

4 既存施設の建て替え案D(左下)

〇美術館はそのまま存続します。区民センター開所時からある建物は基礎を残して上物を建替えます。ミヤザキケンスケ氏の平和のパネルは改築後も展示します。改築後の区民センターは太陽光パネルなどを設置し省エネ設計とします。

〇既存施設を存続させ、高さや容積を増やして青少年プラザ、男女共同参画センター、社会教育館、勤労福祉会館なども受け入れます。

〇体育館も現在の場所で建替えます。

〇屋外プール、テニスコートはそのまま存続します。

〇下目黒小学校はそのまま単独施設として建替えます。

〇区民センター建替え等の費用は総務省の施設更新単価(40万円/㎡)を用いると美術館を除く区民センター全体で約66億円であり、拡充分を含めても目黒区の財調基金、施設整備基金、学校施設整備基金の合計800億円で十分賄えます。