目黒区に情報開示請求をすると!

 あなたは目黒区に情報開示請求をしたことがありますか。目黒区情報公開条例第1条は「目黒区が区政について区民に説明する責任を全うし公正で開かれた区政を推進し、区民の区政への参加の促進を図り、もって区民と区との協働によるまちづくりに資することを目的とする。」と格調高くうたっています。でも実際に開示請求をすると長期間待たされ、何を請求すればよいのかは教えられず、必要な情報は隠され、多額の費用を払わされます。

何を請求すべきかを教えてくれずムダ足に

今回の目黒区政白書を作成するにあたり退職幹部の天下り(正確には目黒の外郭団体への再就職)の実態を調べようと思いました。まず2023年5月26日に目黒区社会福祉協議会に行って常務理事の給料について開示請求しました。外郭団体にも目黒区と同様の情報開示規定があることはネットで調べてわかっていました。窓口で要件を話すと課長(この人も天下りの1人であることが後で判明)が出て来て「何に使うのか」など質問されました。退職幹部の処遇が正当なものであるのか調べたいと答え、開示請求書に常務理事の給料と記入して提出しました。5月29日に電話があり5月30日に出向くと担当係長が対応し課長は後ろで見ていました。これですといわれて開示請求通知書をみると「規定により支給していない」と書かれていました。そんなはずはないと抗議すると課長が後ろから出てきて「開示請求書に常務理事の報酬とあったから無報酬と答えた。事務局長としては給料を支給している。」と臆面もなく答えました。ならば最初からそう言えばいいのではないでしょうか。事務局長にはいくら払っているのかと問い詰めると「個人情報だから答えられない。〇〇課の〇〇係長の給料はいくらかと言われても答えないのと同じ。」という回答でした。個人ではなくポストの報酬だから開示すべきと主張しても変わりませんでした。同じことは社会福祉事業団でも起こります。2023年5月26日に開示請求をして13日後の6月8日に電話で開示すると連絡があり6月13日に期待して出向きました。開示請求してから15日以内に開示しなければならないのでぎりぎりでした。こちらは「社会福祉法人目黒区社会福祉事業団役員等の報酬及び費用弁償に関する規定」の写しを開示してきましたが出てきた回答は社会福祉協議会と同じで常務理事は無報酬というものでした。同じ回答をするのに社会福祉協議会は3日なのに社会福祉事業団は13日もかかるのも理解できません。結局退職幹部の天下り先の報酬と10年間の氏名は人事課に開示請求して入手しました。開示請求する区民の立場に立って求めるものは何か理解しようとするのが行政の立場のはずです。目黒区情報公開条例施行規則第14条に「職員は、…当該開示請求が円滑に行われるように…相談に積極的に応じなければならない。」とあるのを知らないのでしょうか。常務理事は無報酬だが事務局長なら給料は払っている。しかし個人情報なので開示できないと最初に言ってくれれば納得はできませんが時間と労力は省けました。

全面黒塗りするのに3か月待たされ、結局審査会に審査請求することに

もう一つの事例です。学校給食調理業務が直営から民間委託に切り替わったのが1999年からで今年で24年経ちました。当時の助役や教育長と団体交渉をした当事者である私は本当に安全でおいしい給食が提供できているのかを検証するため、学校ごとの事故報告書や業務評価報告書書などを目黒区教育委員会に3年分を開示請求しました。2023年2月20日に開示請求し最終的に開示が決定されたのが同年5月19日です。ぴったり3か月後の最終期限ぎりぎりです(実際に郵便が手元に届いて私が知ったのは5月24日で3か月を超えていました)。目黒区情報公開条例では第13条(開示等の決定の期限)では「開示決定は開示請求があった日から起算して15日以内にしなければならない。」とあります。でもこの条文には抜け道があります。第13条の2でやむをえないときは60日を限度として延長できることになっています。それでもできなければ第13条の3で開示請求者の同意があれば更に30日伸ばせます。今回の教育委員会の開示決定がぴったり3か月後だったのは例外の例外を精一杯使ったからです。しかも私は同意したつもりはないのですが電話で2か月では難しいと言われやむをえないですねといったような気がします。でも本人の同意が前提とは知りませんでした。ではなぜ3か月もかかったのでしょうか。それは大量の文書を黒塗りしなければならなかったからです。各小中学校が委託業者を評価した報告書は判定結果だけでなく評価基準も全部黒塗りでした。


後だしジャンケンで不開示理由を追加

黒塗りの理由は条例第7条の不開示情報に該当するからだというのです。具体的には第7条第3号アに該当すると言われました。アの条文を読むと「入札予定価格、立入検査の計画、職員人事評価記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針等で、公にすることにより、区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの」とあります。条文はもっともなように思えますが学校給食委託業者の評価内容がアのどれに該当するのか私には理解できませんでした。目黒区でも評価内容を公開している事例もありますし全国でも開示すべきとする決定がいくつも出ています(注参照)。そこで6月28日、担当者に直接会って説明を聞きました。すると評価内容を業者が知るとどこを頑張ると高得点となるかわかってしまい公正な行政ができなくなるというのです。業者が得点配分を知って仕事にがんばることがなぜ公正な行政の妨げになるのでしょうか。説明を聞いていてアに例示されていなくてもとにかく担当者が「公正な執行」の妨げになると思えば何でも非開示にすると宣言したとしか思えませんでした。結局非開示にしたことは再検討することで持ち帰ってもらいました。8月22日、教育委員会から部分開示決定通知書(変更)なるものが出てきました。不開示としていた業者の評価項目は開示するというのです。私の訴えが認められたわけですが肝心の評価点は不開示のままでした。一貫していません。新たに教育委員会は「業務改善提案型契約方式実施要領」に「受託業者へ総評価点は知らせないこと」とあることを理由に持ち出してきました。当初の不開示決定になかった理由を新たに持ち出したこと自体、いかに不開示に根拠がないかを自ら示すものです。これには3点誤りがあります。条例で不開示の例に挙げられている職員人事評価記録は本人が希望すれば伝えていること、業者の総評価点自体は不開示でも業者への評価は5段階の評定区分として開示されていること、開示・不開示の決定は条例・規則のみに基づいて決定すべきであり行政内部の別の基準を理由にすべきではないことです。私はやむなく8月30日に情報公開・個人情報審議会に審査請求をせざるをえませんでした。

しろめくろめ

しろめくろめの会(明るく住みよい目黒を考える会の略称)の世話人の一人が運営するホームページです。目黒区政に係る情報を発信しています。

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