都議会議員補欠選挙結果の分析
2024年5月28日
しろめくろめの会世話人 高村重明
選挙結果(2024年5月26日投開票)
候補者名 党派名 得票数 得票率 結果
西崎翔 立憲民主党 19,526票 35.64% 当選
青木英太 無所属 13,538票 24.71% 当選
井沢京子 自由民主党 11,039票 20.15% 次点
宮本栄 日本共産党 7,730票 14.11%
須藤健太郎 無所属 2,947票 5.37%
誰もが驚いたのは自民党の唯一の女性候補が落選し、無所属の青木候補が当選したことでしょう。投票率24.19%は前回都議選(2021年7月4日)の43.03%を大きく下回り、今年4月21日の区長・区議補選の投票率36.52%も下回りました。期日前投票は投票総数の27.24%で4月の区長・区議補選の25.05%より高く、組織票や固い支持票は投じられたと思われます。女性の投票率は23.80%で平均を0.39%下回りました。区長・区議補選のときは平均を0.31%上回っていたので女性票が少なくなったのも自民候補に不利になったのかもしれません。
前回の都議選結果(2021年7月4日)を補選投票数54,780÷前回都議選投票数98,227=55.76%で補整した結果と今回の補選結果を比べ票の変化を次のように考えました。移動は結果から逆に推測しています。
伊藤悠氏(都ファ) 前回得票数23,117票×55.76%=12,890票 今回立候補していないので西崎氏に9,329票、青木氏に2,098票、須藤氏に1,463票が移動
斎藤泰宏氏(公明) 前回投票数16,515票×55.76%=9,208票 今回立候補していないので青木氏に全部移動
鈴木隆道氏(自民)と栗山芳士氏(自民)前回合計23,851票×55.76%=13,298票 今回自民から立候補した井沢京子氏は11,039票だったので減少した2,259票は青木氏に異動
星見定子氏(共産)前回16,038票×55.76%=8,942票 今回宮本氏(共産)は7,730票だったので減少した1,251票は西崎氏に移動
西崎翔氏(立憲)前回16,044票×55.76%=8,946票 今回19,526票となったので伊藤氏から9,329票、星見氏から1,251票が移動
以下あくまで私の推測です。自民党の票は前回の都議選の2人を合わせると23,851票あり、投票率が減った分を減らしても13,298票あるはずでした。しかし裏金問題や目黒区に関係ない落下傘候補であること、女性票が減ったこと、青木候補の父の青木区長が町会や商店街に働きかけたことなどから2,200票以上減らし、その分が青木氏にまわったと思われます。自民党は4月の区議補選で25,767票を獲得し次点となった新井佳代子氏をなぜ都議補選に出さなかったのでしょうか。新井氏なら当選できる可能性が十分にあったと思います。それができないのが今の自民党の体質なのでしょう。前回の都議選で一番得票数が多かった都民ファーストの伊藤氏の票はどうなったのでしょうか。区長選挙の分析でも指摘したのですが今年4月の区長選挙では本来西崎氏の支持票が反自民的なイメージの都民ファーストの伊藤氏にまわったと思われます。今回は伊藤氏の7割程度が西崎氏に、残りは無所属の青木氏と須藤氏にまわったのではないでしょうか。青木氏は公明党の全部と自民党、都民ファーストの一部をまとめ当選したと思われます。共産党は星見氏の票を補正した票から1,200票ほど減らしています。星見氏の個人票もあったでしょうし、宮本氏が地区委員長という肩書なので共産党の選択肢をつくるための立候補と思われたのかもしれません。4月21日の目黒区長選挙での市民と野党の共闘の善戦、定数1の区議補選での立憲の勝利、4月28日の東京15区の衆院補選での市民と野党の勝利、5月26日の静岡県知事選挙の勝利と目黒区での都議補選の結果が都知事選挙への蓮舫氏の出馬表明(5月27日)へとつながったと思います。目黒から自民党政治を終わらせ国民本位の政治を実現するうねりを引きつづき強めていきたいと思います。
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